固定翼VTOL機とは
現在、民間用、産業用ともにマルチコプター型のドローンが広く普及されつつあり、様々な分野で活用がされています。
マルチコプター型ドローンは、垂直に離着陸可能であることが大きな利点となっていますが、飛行可能時間が最大20~30分程度のものが多く、ペイロードを多く搭載した場合は数分しか飛行できないものも珍しくありません。
また一方、一般的な飛行機と同様の翼を有する機体は、効率が良く長時間の飛行ができる反面、離着陸において滑走可能やカタパルトを確保する必要があることから、活用の場面は限定的となっています。
これらの特徴を組み合わせた機体として、飛行機とマルチコプターを組み合わせた「固定翼VTOL機」があります。固定翼VTOL機は垂直離着陸ができ、飛行機のように高効率な飛行を行うこともできます。
AirKamuyが目指す固定翼VTOL機
固定翼VTOL機は非常に優れた特徴を持つ機体ですが、翼を有することから機体が大きくなってしまい、ペイロードを多くを積むことは難しく、運用も難しいことから、多くは普及していない状態です。
AirKamuyでは、固定翼VTOL機を発展させ、マルチコプター型ドローンと同様の運用が可能で、それと同時に十分なペイロードと長時間、長距離の飛行を可能とする機体の開発を行っています。
これにより、既存のドローンの運用を発展させることができるとともに、いままでにはない様々な活用が可能となります。
AirKamuyの機体の特徴
AirKamuyでは主に以下のような技術に着目し、機体の開発を進め、ドローンの運用性と長時間、長距離飛行が両立可能な機体の実現を目指しています。
①空中における翼の展開、折りたたみ機構
離着陸時に翼を折りたたむことで、同様のペイロードを搭載可能なマルチコプター機と同程度の離発着に必要なスペースでの運用を可能とします。
またこの機構を搭載することにより、一般的な翼を搭載する機体において車両等での運搬時に必要となる組み立てや分解の作業が不要となり、簡単で迅速な運用を可能とすることを目指しています。
②ホバリング飛行、水平飛行をともに高効率で実現できる機体形状
既存の固定翼VTOL機は飛行機の形状とマルチコプターの形状を単純に組み合わせた機体がほとんどです。
当社では、他社の固定翼VTOL機のに比べて比較的大きなロータを効率的に配置することで、機体規模を大きくすることなく、大ペイロードを実現しました。
③ハイブリッドシステムの搭載
ガソリンエンジンや燃料電池を搭載し、発電を行うことのできるハイブリットシステムにより、バッテリーのみの搭載時に比べ、大幅に飛行時間を延ばすことが可能となります。
現在ハイブリットシステムの実証のため「X-1」にエンジンと発電機の搭載した機体の開発を2023年春の実証飛行を目標に開発をすすめています。
世界一の固定翼VTOL機メーカーを目指して
AirKamuyには、航空機メーカでの無人機設計経験を有するもの、学生時代に人力飛行機の設計製造経験を有しているものが多くおり、空力・構造、電装、ソフトウェア、システム開発等各分野のプロフェッショナルとして、高い設計能力と製造能力を有しています。
また、ドローン操縦歴の長いものーや、第一級陸上特殊無線技士の資格保有するものなども在籍しており、法令遵守の上での設計、試験を進めています。
開発・製造面では、3DプリンタやNC加工機を活用し、設計から試作、製造を非常に早いスピードで実現することを可能としています。
ビジネス面においては、事業会社経験や金融業界経験者が在籍することで、開発製造とビジネスの両立を実現しています。
AirKamuyは世界一の固定翼VTOL機メーカ－を目指し、技術開発を進めていきます。